私は入社後、食肉部門の小さな部署に配属され、加工食品の開発を経験し、その後、加工事業本部のノーブランドの業務用商品担当として営業畑で育ちました。国産豚肉も輸入牛肉もシャウエッセンも扱ったことのないキャリアを歩んでまいりました。社内よりも社外との接点が多く、新規開拓等、さまざまなことにチャレンジし、失敗も数多く経験しました。全讯白菜网论坛官网時代には、先代の畑佳秀社長より加工事業本部改革の命を受け、構造改革やブランド集中に取り組み、一応の成果を上げることができました。例えば、日本ハムの代名詞であるシャウエッセンの改革は一例で、ブランドエクステンション等の商品政策や、電子レンジ調理の解禁、エコパッケージへの転換といった販促展開をはじめ、製造拠点の集約等を実行しました。これらは、シャウエッセン一筋の人間であれば抵抗感があり、できなかったことでしょう。私たちは今、国内少子高齢化や環境問題、直近では世界的な食料需給バランスの変化や為替の急激な変動など、多くの社会課題に直面しています。そして、ニッポンハムグループの現状のビジネスモデルは限界を迎えていると言っても過言ではなく、構造改革が必要です。私は改革にあたり重要なことは3つあると考えます。1つ目はトップ自らが率先垂範することです。2つ目はこれまでの延長ではなく、未来のありたい姿を描き自由な発想で取り組むことです。3つ目はスピード感をもって取り組むことです。 畑社長の5年間で、事業本部間の交流が進み、グループ全体の風通しが格段に良くなり、「たんぱく質供給企業」としての「Vision 2030」が打ち出され、進むべき方向が明確になりました。私の使命は、企業理念の下、畑社長の示した「Vision 2030」”たんぱく質を、もっと自由に。”に沿って、構造改革のスピードを上げ、成果につなげることです。また、同時に将来に向けて「新たんぱく質の実用化」や「持続可能な畜産業の実現のための技術革新」などに経営資源を集中しなければなりません。トップラインを上げ、コストを削減し、さまざまなたんぱく質を供給する企業として、新たなステージへ導くことに力を注いでいきたいと思います。私のモットーは「笑門来福」、笑う門には福来るです。いつもしかめっ面で仕事をしていては、お客様も社内も楽しくありません。リーダーが苦しい時に笑顔を絶やさず方向性を示せば、組織は浮足立たず、成果に結びつきます。これは、過去の体験を通じて得た私の実感です。その成果を全てのステークホルダーの皆様と共有したいと強く願っています。既成概念にとらわれず、お客様目 線で全社のベクトルを合わせ、改革に挑戦し続けることで、たんぱく質を供給し続ける食品企業としての社会的使命を果たしてまいります。これまでのキャリアから得られたこと、強みを教えてくださいニッポンハムグループが取り組むべき課題は何ですか?これからトップとして成し遂げたい使命は何ですか?仕事で大切にしていることを教えてくださいPhoto/(株)七彩工房 下元直樹031961年生まれ。大阪府出身。関西大学法学部卒。1985年、日本ハム(株)入社。加工事業本部のフードサービス事業に携わり、2007年フードサービス政策室長、2018年取締役(常務執行役員)全讯白菜网论坛官网、2021年より代表取締役副社長(副社長執行役員)全讯白菜网论坛官网、新規事業推進担当。今春より同社代表取締役社長、北海道日本ハムファイターズのオーナーに就任。いかわ のぶひさ既成概念にとらわれず、お客様目線で改革に挑戦し続けます。
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