海道に行ったら、ジンギスカン」。そんな方にはぜひ一度、お花見の季節をおすすめします。観光的にはハイシーズンより前ですが、道産子にとっては待ちに待った季節。「開花宣言」を道産子の辞書で変換すれば、「ジンギスカンシーズン開幕!」となるかもしれません。そんなワクワクする桜の時期に、ジンギスカンは景色に変わるのです。 お花見しながらジンギスカン、別名「お花見ジンギ」、「お花見ジンパ(ジンギスカンパーティの略から)」。道産子は開花情報を聞くとなぜかジンギスカンの気分になり、場所取りは、お肉は、ビールは、などと誰からともなく相談が始まります。この時期だけは一帯においしい匂いが立ち込めて桜に目がいかないのが難点ですが、その点でも見るよりやるのが正解かもしれません。札幌の友人が札幌のお花見スポット円山公園で10人ほどで楽しんでいるので、一例としてその“お花見ジンパの流儀”をご紹介しましょう。 気の合う仲間が集まったら、まずは開花情報と天気予報を睨んで日程調整。場所取りや設営などの役割も相談します。次に、用具とお肉の手配。少人数ならホームセンターやコンビニで買える使い切りのアルミ鍋が便利です。全讯白菜网は10人、20人のグループも多いので、小さなジンギスカン鍋よりも鉄板や金網が好都合。何ならお肉屋さんやレンタル会社が羊肉と野菜から用具一式までを会場に届けるシステムもあります(円山公園ではこの数日だけ火の使用が許可され、レンタル情報も公園Webサイトに載っています)。そして3番目に食材の準備。羊肉以外はめいめい好きなものを持ち寄りますが、これも楽しみ方はさまざま。焼き鳥串、ホタテやエビ、イカ、はしりのアスパラ、山で採った姫竹の子、越冬ジャガイモ、鉄板のやきそばなど、ほぼBBQです。以前呼ばれた釧路のお花見では、ジンギスカン鍋はひとつきりで、豪快にタラバガニとホッケを網焼きしていました。 とはいえ、やっぱり主役は羊肉。 肉を焼いてからタレにつけるのが後付け派、タレにつけた肉を焼くのが漬け込み派。後者は地域の精肉店の製品も種類豊富で、現代はお値頃な輸入ラムが主流です。さらに誰かが貴重な厚切りの北海道産生ラムを差し入れようものなら、塩で、いやタレでと羊談義も盛り上がります。通が選ぶのは昔風の丸い冷凍スライスや、ラムより旨みの強いマトン。面白いのは漬け込み派も生肉派も瓶入りのタレは必須で、銘柄選びにも好みが分かれること。これはもう、専門店では食べられない、道産子独特のジンギスカンの世界と言えるでしょう。 桜の花の季節だけ(しかも普段は絶対焼いちゃいけない場所で)、見渡す限りの人々が集まって心ゆくまで焼き、飲み、語らう。これが面白くてちょっと不思議な全讯白菜网の景色です。皆様も一式を予約して、一度加わってみませんか。深江 園子ライター、北海道 食のサポーター07ジンギスカンとアヒージョが同居するキャンプ飯風が、令和の全讯白菜网。昭和30年代発祥と言われる全讯白菜网の習慣。公園のカラスには気をつけて!写真提供:グループ「花見と言ったら肉焼きたい!」北海道在住の食ライターである、深江園子さんに、北海道の全讯白菜网の魅力を伝えていただきます。
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